大久保 莉沙
こんにちは!神戸市東灘区のりさ鍼灸院です
今日は突発性難聴後の耳鳴りでお悩みの30代女性の症例をご紹介します。
目次
ご相談内容
こちらの患者さんは、もともと漢方を服用されていました。
耳鳴りが発症した後、漢方の先生から「鍼を試してみてはどうか」と勧められ当院にいらっしゃいました。
耳鼻科でのステロイド治療により聴力は回復したものの、高音性の耳鳴りが残っている状況でした。
診察
- 主な症状
・耳鳴り(特に右耳)
・首肩こり
・月経周期の乱れ - 舌診:やや暗い色で、舌のふちに歯痕あり、舌の奥に黄膩苔
- 脈診:滑らかではあるもののやや沈んだ脈
このような状態から体のエネルギーの流れ(気)が滞り、体内に熱がこもるような状態になることがあります。そうなると耳鳴りや肩こりなどが現れやすくなります。
治療と養生
治療は以下を中心に行いました
お灸:照海
鍼 :百会、後渓、三陰交、陰陵泉など
養生:十分な睡眠時間を確保する、耳のマッサージを継続する
治療の経過
患者さんは最初は1週間に1回のペースで通院いただき、
その後1週間~2週間に1回のペースでお越しいただいています。
- 1回目:耳鳴りの強さ10 → 8。首肩こりも軽くなった感覚を実感。
- 3回目:耳鳴り10 → 5。首肩こりも緩和。
- 6回目:耳鳴り10 → 3。首肩こりは10→ 4に改善。
- 8回目:耳鳴り10 → 1~2に安定。首肩こりも1~2。
※10は初診時のMAXの度合いです
現在21回目でメンテナンスとしてお越しいただいており、忙しいときには耳鳴り・首肩凝りが6程度に増すこともあります。
しかし、その後治療をすると2~3週間空いても耳鳴り、首肩凝り共にが1~3の程度で安定するなど、生活への支障は大きく減っています。
月経周期もまだ完全に安定はしていませんが、遅れていたものが30日周期でくるなどの改善もみられています。
まとめ
耳鳴りは、ストレスや生活習慣が深く関係する症状です。
りさ鍼灸院では、東洋医学の考え方に基づき、全身のバランスを整える施術を行っています。
耳鳴りの原因のひとつとして、東洋医学では「腎(じん)」の働きの弱りを考えます。
腎は体のエネルギーを蓄える役割を持っていて、耳や聴力とも深く関わっています。
腎のエネルギーが十分でないと耳鳴りが起こりやすくなったり、治りにくくなったりすることがあります。
今回の治療では、この腎のエネルギーを補い、耳の働きを整えることを目指しています。
ただし、耳鳴りは非常にデリケートな症状で、完全に取りきれるかどうかは正直なところ分かりません。
ですが治療を続けることで症状が軽くなったり、耳鳴りが気にならない時間が増えたりする可能性があります。一緒に改善を目指して、無理のないペースで取り組んでいけたらと思います。